「なんでっ、一緒にいいじゃん!」
「なんでだよ」
ただ今私は空の家にお邪魔しています。
用事は、明日一緒に帰ろう、なんですが
簡単にうまくいきそうにありません。
「明日ひとりなんだもん」
「別に明るいからひとりでいいだろ」
「明るくないもーんだ」
「どこがだよ」
なによ。
心配とかないわけ?
「分かったよ…ひとりで帰ります」
私はそう言って空の部屋を出た。
待て。なんて聞こえなかったふりして。
「あら、もう帰るの?」
リビングの前を通るとき、空のお母さんがいた。
「はい。用事は済んだんで」
「そっか。空、またなにか変なこと言わなかった?」
「いえ!なにも」
「そっか、それならいいんだけどね。お母さんに宜しくね」
「はい!お邪魔しました」
空のお母さん、相変わらず綺麗だったな。
正直憧れるなぁ。
私が小さかった頃と何も変わってないんだもん。
見た目20代だよ。
因みに空のお母さんは今年37歳になると聞いてる。
まだまだ若いな。
お父さんは39歳くらいで、すごく優しくて男前。
あんな美男美女夫婦から、空みたいな人が産まれてくる理由が分かる。
私はもう一度、空のお母さんに礼をした。