そして放課後。
緑から帰りながら話を聞いた。
「でね!わざわざありがとうって言われちゃった!」
「そうなんだ!」
ありがとう、なんて空は私に一度でも言ったことあったかなぁ?
「それでね、明日の放課後…約束しちゃった」
「ほ、本当!?」
「うんっ!部活休むんだって」
「そっかそっか!」
「楽しみー」
緑はルンルン気分だった。
「て事は明日一緒に帰れないのか」
「うん…ごめんね?原田君と帰りなよ」
「うーん、そうだね」
一緒に帰ってくれるかな。
「言いづらいなら、原田君からは私が言っとこうか?」
「ううん!そんなことしなくていいよ!緑は先輩と楽しんでっ」
私は言う。
「でも、ひとりで帰っちゃダメだよ?」
「うん」
じゃあ空に言いますかな。
「ならまたね!」
「うんっ!ばいばい!」
私は緑に向かって大きく手を振った。
緑とはこの電柱まで。
この後は私が真っ直ぐで、緑は右に曲がる。
大体ここから、同じような時間でつく。
空が部活終わって、家に着くのは7時半くらいだから、そのくらいに家に行こうかな。
でも空にまた、この後会える。
そう考えたら嬉しくてたまらない。