「よし」
3年3組到着。
私は緑の背中を押し、廊下で様子を見ることにした。
あまり声は聞こえないけど、どうやら上手くいっているみたい。
ここから緑の表情を見る限り、
絶対ドキドキしてること間違いなし。
だって顔がすごく真っ赤なんだもん。
元々緑はほっぺがチークを塗ったようにピンクいが
今はすごくピンク色になっている。
緑の顔が真っ赤な姿と、
その正面で無邪気に笑っている先輩。
そんな風景を見ると、なんだか変な気持になる。
変なってのは、悪い意味じゃなくて
なんて言うか…
みんな成長するんだなって。
すごい当たり前のことなんだけど、
みんな、それぞれの道を進んでいく。
そんな中私はいつも道に迷っているみたいで…。
それは恋愛ばかりじゃないけれど、
私はこのままでいいの?って
なんだか神様が言っているみたいで。
「お待たせ!」
「緑、どうだった?」
ぴょんと顔を出してきた緑。
表情を見る限りこれは上手くいきましたな?
「うん!先輩すごく優しかった」
「そっかぁ!良かったね!」
「うんっ!!」
ほら、この嬉しそうな顔。
これが恋をする女の子なんだ。
学園恋愛、か。
私も一度、こんな気分を味わいたいな
なんて、女の子としてそう思った。