「1週間前の事なんだけど、大雨の日があったじゃん?」






「あー、そう言えば」






「それであの日、生徒会の仕事さっさと終わらせて帰ろうとしたんだけど、雨がすごくってさその日傘も何も持ってきてなくてね、」







「うん」






「もう濡れて帰ろうって決めた直ぐに後ろから男の人が話しかけてきたの」







なるほど。






「それが先輩って事ね」






と、私は言った。






「そう。それで『傘持ってないの?』って聞かれて」







「ほうほう」






「持ってきてないですって言ったらね、これ貸すよって言われて先輩の傘渡されたの!」






「へー!」






「先輩は自転車通学みたいだから傘は指せないって言ってたし、私借りちゃった。でもその傘…まだ返してなくってさ…」







「えっ!?返しなよ!てか!会うチャンスじゃん!」






「うん…そうなんだけど好きって知ったら、なかなか返せなくて」






「そっかー、それなら私もついて行こうか?」






「えっ!いいの!?」






「うんっ!いいよ」





緑は目を輝かせる。






「じゃあ明日返す!」






「うんっ!頑張ってね!」






緑は私に






「頑張る」






と、言った。