「よっしゃ、休憩」
「何か飲み物持ってくるね!」
立ち上がろうとした時だった。
「やだ」
そう言って空は私の手を取りそのまま自分の方に優しく寄せた。
「そ、空…」
「離れんなよ」
「下に行くだけだよ?」
「それでも」
「うん…」
「果歩といると落ち着く」
「え…」
「勉強もはかどるわ」
「もー」
空の硬い体が好き。
「空大好き」
「あーも、知らねーよ?俺のスイッチ入れやがって」
「スイッチ?」
「俺の身にもなれよなー?」
「何のことだかさっぱり…」
「キスしてい?」
そ、空が…
空がなんか柄じゃないこと言ったー!
けどしたい!
したいです!
「ぅん…」
空の暖かい唇が重なる。
「空大好きー!」
「知ってる」
そうやって今度は私のおでこに優しいキスを落とした。
「空のバカ…」
「なに?」
「かっこ良すぎ」
「ふーん。どうも」
「空が大人になった」
「俺元から大人だし?」
「違うし!見た目だし!」
「見た目かよ。見たの目のどこが大人になったって思うんだよ」
「いや、身長伸びたしね」
そうなんです、空はあれから身長がぐっと伸びたんです。
きっと卒業する時には170センチあるね。
「果歩は相変わらずチビだよな?」
「空だって元そうじゃん!」
「元だろ。果歩は現じゃん」
「別に!」
拗ねていたら空が私の頭を引き寄せた。
「空?」
「俺はチビでもいい」
「え?」
「そうやってさ…りんごみたいな顔真っ赤な果歩が可愛いと思うけど」
「か、えっ…?」
私が、可愛い?
「俺の目の届く範囲にいろよ」
「え、うん」
「これから先も…」
空は力強かった。