「ちっ、あいつなんだよ」
春馬君…。
「果歩」
「あ、はい!」
「…春馬に何言われたんだよ」
「えっ、何もだよ!?」
「嘘つけ、ぜってーなんか言われたよな?」
「違うよ?」
「じゃあなんで泣いてたんだよ。俺の前以外で泣いてんなよ」
「な、なんで?」
「なんでって」
「???」
空は私の顔をなぜか逸らす。
「大切だからだよ」
「…」
大切ってなに?
さっきの告白、私が知らないとでも思ってる?
空の言葉だったよ。
俺も好きって、言ってたじゃん。
そういう大切とか、なに。
大切なんかじゃないくせに。
「おい」
「…」
「目。出てる」
「えっ…」
あ…。
色々考えてたら涙出てたことすら気づかなくて。
すごく必死だった。
私、こんなにも空が好きなんだって思い知らされた。
私の事、もう飽きちゃったよね…。
半年経ったんだもん。
「やっぱり春馬に言われたんだろ?」
空は私の目を見て言う。
「…」
「なあ」
「…空だよ…」
「…は?」
もう、無理だよ…。
限界だよ…。