「そう言えば先輩今進路で忙しいの?」
「うーん、そうでもないみたいよ?」
「そっかぁ!進学?」
「うん、大学でね、今結果待ってるんだけど、その大学が県外でね」
「えっ、県外って事は離れちゃうの?」
「うーん、そうだね。でも私は全然大丈夫!だって青先輩には頑張ってほしいしさ!」
「そうだよね。でも後ちょっとだし、寂しくなるね」
「だねー」
遠距離かぁ。
私は無理かな。
「ついたついた!きっと中はあったかいね!」
「うんっ!」
このカフェもよく来たな。
私達が座るいつもの席はたまたまあいていたのでそこに座った。
緑はオレンジジュース、私はクランベリージュースを頼んだ。
「原田君は進学?」
「うんっ!」
「そっかぁ!」
「私と同じ大学希望なんだ!」
「えっ!果歩が行くところ相当頭良くない!?」
「そうなんだよねー、けど空ならなんか、やってくれる気がしてさ」
「そっか!原田君ってクラスで順位下から3番目くらいだっけ?」
「そうそう!かなりバカ!」
「ははっ!まあ部活大変そうだしね」
頼んだジュースが目の前に来る。
「だね。緑は就職でしょ?」
「うん!私はもう、自分家が花屋だからね。継ぐかな」
「そっかー、なんかみんなバラバラになっちゃうね」
「そうだね。果歩とも後1年かぁ。こうしてのんびりしてカフェ行けるのも今の内だもんね」
高校3年なんてあっという間に終わる。
この1年は進路ばっかりで、きっと私も頑張らないわけにはいかなくなる。
時って本当に、すぐに過ぎ去るんだ。
「ところで果歩」
「へ?」
「原田君とどこまで進んだの?」
と、緑はストローでコップの中をゆっくりとかき混ぜながら言った。