15分経って着いた場所はなんだか高級レストランらしきところだった。







「果歩ちゃん、好きなの頼んでね」







「あ。ありがとうございます」







空のお母さんは私にメニュー表を渡した。






「空君細いよね。よく食べるの?」







「もう食べる食べる」







お母さん達の会話ってこんなんなんだ。






こう見たら本当空ってカッコイイよね。






どの角度から見てもかっこいい。






本当にイケメン。






顔は、ね。






でも私、顔で選んだわけじゃないよ?






ちゃんと空の優しさに気づいたから…。






まぁ顔もわりとタイプなんだけど。






学年1だけあるね。






だってほら、行き交う女の人達がちらちら空を見てるくらいだもん。






あー、空が羨ましい。






まつ毛長いし、顔小さいし、






笑った顔が本当にやばい。






肌はサッカーしてるから結構焼けてる。






髪型は前髪をふわっと横になびかせてて






染めたような茶色じゃなくて本当自然な茶色。






男女問わず学年1って言うだけの顔はしてるね。






むしろ私の方が心配ですよ。






ちゃんと釣り合ってるかなーとか






やっぱ考えちゃいますよね。






だけど皆は私達のことを『チビカップル』なんか言って、






意外と評判いいんだよね。






まじまじと空を見ていたら目が合ってしまった。







「…なに」







「あっ、いえ!」







「そんな見んな」







「あ、はい」






だってかっこいいんだもん。







空のばーか。






「そう言えばなんでさっき不機嫌だったの?私がいじめちゃったから?」







「は?ちげーし」







「じゃあなんで?」







「果歩が変な事言うから」







「変な事?」







「可愛い子でもいたとか」







「あぁ!」






言いました、はい。






「果歩は俺が果歩以外の女に興味あるとか思ってんの?」






「え、それは…」







「それは?」






違うもん…。







本当は…。






「ご注文はお決まりでしょうか」






言おうとしたら店員さんが来た。






この店員さん可愛い…。







思わず私が見とれてしまったのに







空はなんにも表情変えることなく、







と言うか見てすらなかった。







空って案外、私以外の女の人なんか興味無いのかな、なんか思ってしまった。







「果歩は?」







「えっ!」






「注文…」






空が私に言う。






あ、そうだった。






私は食べたいものを注文した。