シーンとなった教室。






「来いよ」






そう言って自分の隣に招く空。







「空…」






「なに?」






「大好き」






「はっ、な、なんだよ急に」






「ふふっ、もー大好きっ」







私、バカみたいに空が好きみたい。






「やめろよ、やべって」







「くっついちゃいけないの?」







私は空に聞いた。







「う、そういうわけじゃねーよ」







「じゃあどういう?」







「男にはいろいろあんの!」







「ふーん?」







「なんだよその目は」







「別にぃー?」







「あそ」







空と想いがひとつになった今、私は幸せだって感じた。







ずっと、幸せってなんだろうって思ってた。






その答えは今、私の目の前にある。







何十年かかった両想いだったけど、







私はその何十年が重要だったと思う。







きっとその何十年があったから、今があるんだと。







「近づくんじゃねーよ」







って、顔を真っ赤にした空は言った。






可愛い。






空が照れてる。






今までは見られなかった表情が見られるようになった。






「あ、ねえ空?」







「なに?」







「この部屋にいても大丈夫なの?」







そろそろ先生とか来るんじゃ。







「大丈夫。この部屋だけは見回りこないんだよ」







「へ?なんで?」







「多分遅くまで自習とかする奴がいるからじゃね?」






「そうなんだぁ」







「ま、そんな奴あんまいないけどな。俺が知ってる限りは」







「ふーん?」






「なんだよふーんって」







「ははっ!空面白いねー」







「知るか」







「あっそー」







「俺が…てやるよ」







「えっ?」







今なんて?







「もう言わね」







「えー!お願いっ」







私は自分の顔の前に両手を揃える。







「言わねえって」







「けち」







「恥ずいんだからな!」







「へぇー、でも聞こえなかったし」







「…仕方ねぇ」







空は私に近づく。







「そ、空?」







そして私の耳元でこう言ったんだ。







「仕方ねぇから…守ってやるよ、」







って…。






その時の言葉は何日か経った後も新鮮に私の頭をぐるぐる回っていた…。