「よし、準備もばっちり」
「俺がしたんだけどな?」
「バケツおっけい、花火おっけい」
「無視かよ」
「よし!するかっ!あ、空が火つけてね」
「なんでだよ!」
「だって怖いんだもん」
「だって怖いんだもん。じゃねーよ」
「えへ?」
「仕方ねーな、ったく」
空はロウソクに火を付ける。
ほうほう、手馴れてますなぁ。
「ほらよ」
「よーし!開始だー!」
「何をだよ」
今日1日、嫌な事全部忘れられた。
いろいろあったけど、今はすごく楽しいよ。
私、思ったんだ。
「空!あのね!」
花火の音で声がかき消されるのを頑張った。
「あ?」
「私、空が幸せならなんだっていいと思うんだ」
「あ?聞こえねーよ!」
「だからね!」
「…」
「空が今を幸せなら、どんな形でも私は受け入れるって決めたの!」
そうだよね。
私の好きは、ただ空を困らせるだけ。
だから、空が梓紗ちゃんと付き合っていこうが空がそれで幸せって言えるのなら私はそれを受け入れる。
私の好きはわがままだったんだ。
「なんだよいきなり」
「別に?そう思っただけだよ!」
「変な奴だな。普通はそういうの男が考えるんじゃねーの?」
「そうなのー?」
3本目3本目ー!
「知らないで言ってたのかよ」
「へぇー?」
あ、切れちゃった。
「ほら」
空は私の隣に来て新しい花火を私に渡してきた。
「あ、ありがとう」
「ねぇ空?」
「ん」
隣だから、叫ばなくても聞こえるや。
「これだけは言わせてね」
「なんだよ」
「うん、あのね」
「私にも偶には構ってよねー」
もうそれだけでいいんだ。
「…いつでも」
空は静かにそう言った。

