Magic of Chocolate

 「あの!!」





 遠くなっていく背中を夢中で呼び止めた。





 私なんかの声じゃ、聞こえないかもしれないけど。





 でも、彼は止まってくれたの。





 「せめて、名前だけでも教えてくれませんか!?」




 お礼がしたいから。





 お菓子でも、焼いて渡してあげたくて。