Magic of Chocolate

 「大輝はさ、自転車持ってんだから乗ればいいじゃん」




 少しは涼しいでしょ、って付け加えて見上げると、





 「そしたら空が独りになっちゃうだろ」



 
 って笑うの。





 でも、





 「じゃあ、乗って帰るとするか」




 
 やっぱりこうなっちゃうから言わなきゃよかった。





 「後ろ、乗れば?」





 独り下校をかみ締めようと思ったのに、そんなこと言ってくれちゃって。




 「重いよ?」




 「大丈夫」




 あぁ、もう大好きだ。