その日の夜の事だった。


変な夢を見た。



夢の中で浅葱色の羽織を羽織って、二本の刀を腰に身に着けた女性は白い空間の中にいる僕の隣に腰かけた。



『初めまして、沖田 総司の生まれ変わりの者よ…

私は桜咲 舞。

夢の中に勝手にお邪魔させてもらいました』



えへっと、笑う彼女の笑みにはわざとらしさはなくて、落ち着く。



でも、生まれ変わりって何?


『私はね君じゃない総司と約束したの。

"来世で恋をしよう"って、

だから、それを伝えに来たの』



来世で恋をしようか…


そんな約束したくらい二人は愛し合っていたのかな…



「でも、僕は貴女のその約束には応えられない。

僕にはもう、好きな人がいるから」



僕の命を助けてくれたあの子のことが、僕は忘れられない。


『ふふっ、わかってるよ

あくまで、これは過去の約束だもの。

お互いが見つけ出さなきゃいけないことだから…

でも、私はね信じてる』


また、フッと笑った舞さんは何処か彼女に少し似ていたような気がした


『君にヒントって言うんだっけ?

教えてあげる。

君の想い人は今京にいる』



ニコッとまた笑って彼女はその空間から消えていった。


そして、僕も彼女が消えるとともに目を覚ましたのだった。