気づいたら夜も泣いていた。 滅多になかない夜が泣いたんだ。 私はますます泣いてしまった。 「行こうか。由美」 私は小さく頷き、夜に手を引かれながら学校を出た。 「大滝さん、必ず…必ず戻ってきてね!」 学校がよんだタクシーに乗ったとき、先生たちが私の手を握った。 小さく頷いて、さよなら。 と、手をふる。 「行ってください」 タクシーの運転手はお馴染みで、夜の声で動き出した。