鈍い私でもピンと来た。
この子はマニアだ。
私がルービックキューブを持ってきた日から、ずっと狙っていたのだ。
私ではなく、ルービックキューブを。
あきれて見上げた上原くんの顔が
フフンと得意気で
怒る気も失せてしまった。

でも、上原くんは、ルービックキューブを見つめながら言った言葉だったけど、次の一言は私のことを言ったように私には聞こえた。

「部長。これからは俺に任せてもらえませんか」