契約恋愛







それから、どれだけの時間がたったのかはわからない。



きっと、10分もなかったと思う。


でも私には1時間も2時間にも感じて。





はるかとしゃべっているのに、心のどこかで隣の席の男の子のことを考えていた。






そんなとき。





ガラッと、スムーズにドアの開く音がして。

そこから出てきたのは、短髪でスポーツマンタイプの若い男の先生だった。





「席についてー



9組の皆さん。
おはようございます。
そして、入学おめでとう!

担任の田村海都〈Tamura kaito〉といいます。
実は、先生今年から初めて担任をさせてもらうことになりました。

君たちと同じように新しい場所で、君たちと同じようにいろんなことを学びながら、一緒にこの学校生活を楽しんでいけたらいいなと思ってます。

よろしくな!


じゃあ、さっそくだけど、これから始まる入学式の流れを説明していきます。」