契約恋愛






そのまま、みんなの視線も気にせずに、その男の子は静かに自分の席に座った。



窓際から4列目
後ろから2番目





...私の隣の席。








びっくりした。


こんなにみんなの視線が集まっているのに、まるで何事もないかのように、
そんなふうにふるまえる彼のことが羨ましく感じていたんだと思う。





「なのか!どうかした?」





はるかの声ではっとなった。

「ううん。なんでもない!ちょっとぼーっとしてた」




「緊張のし過ぎじゃない?」





そう言って笑っているはるかに笑い返しながら、またちらっとあの人を見る。








どうして、あの人はありのままの自分でいられるんだろう。