すぐそこに翠湖工業高校の入試が
迫っていた。
姫喜はとっくに推薦で決まったらしく
俺に毎日勉強を教えてくれる。
最近知ったのだが
空も翠湖第一を推薦合格したようだ。
「あすか、
どうしたの!?」
姫喜は朝ごはんを見なながら
話す。
驚きすぎて
目が飛び出しそうだ。
彼女の後ろで
銀行強盗が逃げているとか
わけのわからぬニュースが流れている。
「どうしたも何も…
別に普通の朝ごはんだろ?」
今日のメニューは
食パン、サラダ、ミニオムレツ、フルーツ等々…。
一般的かどうかは知らないが
こんなもんだろう。
そもそも
これだけ用意して
その上まだ文句があるなら
聞いてやらんことはない。
「未来花のバカっ
もう、知らないっ!!!!!!!!」
食パンだけを口にして
姫喜は家を飛び出した。