私の名前は
姫喜。



ちょっと
自分の名前が恥ずかしいと思っている私です。



だって
姫喜だよ!?



姫に喜ぶで姫喜。

可愛すぎて
私にはもったいない。







「おぉ、委員長。」




「あっ、おはようございます先生。」






みんなのおじいちゃん、
担任の山根先生だ。



今年で定年退職の
ベテランティーチャーだ。





私は愛をこめて
山じぃと密かに呼んでいる。







「桐山のことなんだがのぉ…
どうにかならないのか?」




私は笑顔のまま
はてなマークを飛ばした。





「…あの性格というか成績のことも、
やればできる子なんじゃが」






なぜ
それを私に言う。







「桐山は委員長の言うことなら聞きそうだし、
どうにかならんか?」


「えっと、その
私自ら石油にマッチを投げ込むようなこと…」







「おい、誰が石油だ」








私と山じぃの間に
未来花が割り込んできた。



ずいぶん怒っていらっしゃる。



これは
早々に逃げた方がいい。








「まぁ、大変っ!!
今からユーステノプテロンとアカンソステガの
対決が始まるんだった!
急いで帰らなきゃっ」







ナイス、
アドリブ。


とっさにしてはいい
言葉が出た。



誰もが見たいと思う
対決だろう。




これなら
いきなり話を抜け出してもおかしくはない。