ミルト




「あすか、
何を見てたの?」



休憩時間となり
姫喜が隣に立っていた。


俺はすでに
紙切れを持ってはいなかった。







「…金曜日の、

俺の星座占いアドバイス
覚えてるか?」







座ったまま
彼女に話しかける。


立ったままの彼女は
目を反らし、右耳をいじった。







「…覚えてないなぁ、

あっそういえば
予選通過してたね。おめでとう!」







俺は
ニッコリ笑った。


姫喜の喉がなる。


俺はもう一度
笑いかける。







「あの日確か

"今日は積極的に人に優しくしましょう"

お前俺にそう言ったよな?」








クラスの奴らには見えない角度で
姫喜には見える角度。


その中途半端な角度で
ニコニコと微笑む。








姫喜は絶対に
目を合わせない。








「姫喜?」







俺は立ち上がる。







「姫喜の仕業だな?」







姫喜は
静かに頷いた。