――えっ!? 俺は立ちつくしていた。 隣にいるレイちゃんは 不思議そうに俺を見上げる。 俺の目を追うように振り返ろうとするので ついつい口を出した。 今は あの二人を見せたくない。 いや、 違うか。 ――俺が、見たくないんだ。 道路の反対側にいる二人を背にした。 そのまま歩く。 右側にはレイちゃん。 右腕に鞄。 左側には 道路を挟んだ向こう側にあの二人がいる。 追いかけたい。 …でも 足はいかない。