ミルト


教室に戻ると
レイちゃんが物憂げな様子で未来花を
ストーカーしていた。




「どうしたの、レイちゃん」




彼女の前に座る。

彼女は私に見向きもせず
奴を眺めている。






「なんかね、
最近桐山くんを見てると
このへんがギューってなるの」



このへんが…。

私も制服をぎゅってしてみる。

別に何もない。





「違う、違う。

ほら、目を閉じて桐山くんのことを
考えてみて…」





レイちゃんはどんどん
顔が赤くなっている。


よし、
ならば私もやってみよう。






(未来花、あすか、アスカ…)







「姫喜ちゃん!?ヨダレ、ヨダレ!!」




…しまった。



未来花のことを考えると
ヨダレが出てきた。








これはあれだ。


奴が朝昼晩
全てのご飯を作ってくれるからだ。



決して
私が食意地張っているわけではない。