切な 〜セツナ〜





前田くんはフッと身を翻して教室に戻っていった。


いつも思うけど、何しに来てるんだろ…。

* * * * * * * * * * * * *

「はあ〜あ…」


1段上がるごとに足取りが重くなる。あの日と同じ。


でも、助けてくれる前田くんはいない。


――ガチャッ


「来たな、亜莉沙。」


由香里があたしを鼻で笑った。


由香里だけ?

そう思った矢先、上から冷たい水が降ってきた。