あなたとのキョリ


「この頃
駿にあんまり話しかけないね、林さん」

『…うん』

「ん?どうしたの?暗い顔して」

『いや…
悪いこと…しちゃったのかなって…』

あれから成海さんは、駿君にあまり話しかけなくなった

いまさらだけど…
成海さんに悪かったかな…

「何言ってんの桃
桃は、駿の彼女なんだからいいんだよ」

『…そっか』

わたしだって駿君が好きだもん
彼女は、わたしなんだもん

ごめんね、成海さん

わたしには、成海さんが駿君と仲良くしてるのを見ていられるほど余裕がないんだ…

「というわけで、桃は
遠慮なーく駿といちゃついて良いのだ」

『いいいいいちゃつく!?』

いちゃつくって!
無理だよー!

未だに駿君と二人でいるだけでも緊張するのに!

「桃」

『ひゃうあっ!!』

「うわっ、びっくりした
なんだよその声、どこから出てんだ?」

鈴華と話していると、駿君が急に後ろから声をかけてきた

も、もう…
鈴華のせいで余計に意識しちゃうじゃないか!

「未知の生物
桃星人の鳴き声です」

「ぶふっ!!
桃星人って…あははっ!!」

も、も、桃星人!?

『ちょっとなにそれ!
っていうか駿君笑いすぎ!』

桃星人にツボったのか、駿君はお腹を抱えて笑っている

そんなに面白いかな…

駿君につられて鈴華まで笑ってるしー


…駿君がこんなに笑ってるの
初めて見たかも


子どもみたいな顔で笑う駿君の顔

また、新しい表情見つけた

駿君の1つ1つの表情にキュンとする


好きだなぁ…

改めて強く思う

『も~!!
駿君も鈴華もいい加減笑うのやめてよー!!』

わたしが手をグーにしてそのまま両手を上にあげると、二人はさらに笑い始めた

「桃星人のお出ましだー」とか言って

『怒ったぞー!』

怒りながらも
二人の笑顔で
いつの間にかわたしも笑顔になっていた