「ここなら大丈夫ね」
成海さんに連れてこられたのは、体育館裏
こ、この状況、この場所は…
ドラマとかでよくある…
ケンカ!?
無理無理無理無理ー!
ケンカしたくないよー!
「…桜田さん」
『はっ、はい!』
緊張で声が裏返っちゃった
誰か助けてー!!
「ごめんっ!!」
『…へっ?』
予想外の言葉に拍子抜けして、マヌケな声を出してしまった
成海さん、今なんて?
ごめん?ごめんって言ったの?
「ひどいこと言ってごめん」
『あ、いえ…』
成海さん
思ってたより悪い子じゃないのかも
だって駿君のいとこだもん
「…成海
駿ちゃんのこと好きなんだ」
いとこだもんね
好きで当然だよね
「駿ちゃんのこと、
一人の男の子として好きなの
だから、彼女って聞いてついカッとなって…」
え…
駿君を
一人の男の子として好き…?
そんな…
胸に、ずっしりと重い物がのしかかった
『わたしも
駿君のこと大好きだよ…』
最後の方の声が震えてしまった
だって…
「好きの大きさは同じかもしれないけど
桜田さんの知らない駿ちゃんを成海は知ってる
桜田さんより、過ごしてきた時間も長いし、絆も深いんだよ」
成海さんの言葉が
1つ1つ針になって胸に突き刺さる
「駿ちゃんがわたしのこと好きになっても、恨まないでね
じゃあ、それだけだから」
そう言うと、成海さんは踵を返して校舎内へ戻っていった
