「あなた誰?」
あっ、そっか
自己紹介しなきゃ
『桜田桃です!
これからよろしくね!』
「桃、頼めるか?
ありがとうな」
『ううん!
わたしも仲良くなりたいと思ってたから!』
駿君に頼られた!
いつも駿君に頼ってばかりだから、頼ってもらえるのはすごく嬉しいな
声かけてよかった~
思わず笑顔になって駿君を見ていると、
成海さんが冷たく言い放った
「なに?
このちんちくりん」
『なっ、えっ!?』
ち、ちんちくりん!?
ひ、ひどい!身長低いの気にしてるのに
「成海、桃に謝れ」
「えー?本当のことじゃん
駿ちゃん、なんでこの子のことでそんなに怒るの?」
「桃は俺の彼女だ
守りたい大切な人だ
わかったか?」
あわわわ
教室にみんないるのに!
恥ずかしい!
でも…
さっきまですごく落ち込んでたのに、駿君の一言で心がすごく軽くなっちゃった
嬉しいなぁ…
「えぇ?この子が彼女?
嘘でしょ?こんな子のどこがいいの?
チビだし、子どもっぽいし」
うっ
心にグサグサくる…
全部本当のことだからなおさら…
なんでここまで言われなくちゃいけないんだろう
声かけない方がよかったかな…
そして成海さんのトドメの一言
「おまけに頭悪そー
秀才の駿君とは全然釣り合わないよね」
そんなこと…
わたしが一番わかってるもん…
だんだん目頭が熱くなってきて、涙がこぼれそうになった
すると駿君が
「成海
いい加減にしろよ
お前が桃を知らないだけだろ
それ以上言ったら、いくらお前でも容赦しねぇぞ」
と、今まで聞いたこともないような低くて怖い声で言った
雰囲気から、そうとう怒ってるのが伝わってくる
成海さんもそれを察したらしく、体をビクッと震えさせた
駿君…
わたしのために怒ってくれてるんだ
「成海
桃に謝れ」
「…ごめんなさい……」
ギリギリ聞き取れるような小さな声で成海さんは謝罪の言葉を述べた
さっきまであんなにキラキラして自己紹介をしていた成海さんはどこへ行っちゃったんだろう
こんなに人が変わるなんて思わなかったよぉ…
怖かったなぁ
でも、駿君が怒ってくれてたし、ちゃんと謝ってくれたからいいか
『あ…大丈夫…です』
結局わたしが言えたのは、情けないことにこれだけ
余計なこと言うとまたなんか言われそうで怖いんだもん
「桃、ごめんな
いつもはこんなんじゃないんだけど…」
『ううん
気にしないで…』
すごく心にグサグサきたけど…
そんな傷ついた心を癒してくれるのが、
駿君の優しい笑顔とわたしの頭を撫でる大きな手
みんながわたし達に注目したままだったけど、そんなことは気にせずに駿君に頭を撫でてもらった
成海さんが
わたしを睨んでいたことなんて
知らずに…
