あなたとのキョリ



『別れよう…』

「は?」
次の日わたしは彼に別れを切り出した

あんな話を聞いてしまった以上、何事もなかったかのように今まで通りに接することなんてできない

「きゅ、急にどうしたんだよ鈴華
俺、なにかした?」

とぼけないでよ…

『聞いちゃったの…
昨日、教室で友達と話してたこと』
彼は驚いたように目を見開いた

「聞いてたのか?」

否定しないんだね

『さようなら』

わたしが去ろうとすると、彼はわたしの腕を強くつかんだ

『きゃあっ!?』

「おい、お前
何様のつもりだ?」

彼は感情のない冷たい目でわたしを睨んだ


本当に怖い思いをすると、声を出すことなんてできない

「俺がお前を好きになるわけねーだろ」

やめて…

「お前のことなんか、
最初から飾りとしか思ってねーよ」

わたしの中の、優しい彼の笑顔がガラガラと崩れていく

「まぁ、
この俺と付き合えただけでもありがたいと思え」

『もう…
やめて…』

「お前を本当に好きになる男なんて、
一生現れねーよ」

彼は掴んでいた手を離し、そのままわたしを後ろへ突き飛ばした

『うっ
くぅっ…』

悔しい…
あんなやつを好きになってしまったのが

でも、彼の復讐はこれだけでは終わらなかった