あなたとのキョリ

部屋に入ると、ソファで寝ていた猫ちゃんが起き上がって、駿君の足元に擦り寄ってきた

「ぴぴ、ただいま」

「にゃ〜ん」
猫ちゃんは嬉しそうな顔をして、のどをゴロゴロ鳴らしている

『かっ、かっ、かわいい〜!!
この子がぴぴちゃん!?
大きくなってる〜!!』
小さい頃も可愛かったけど、今はもっとかわいい!!
大切にされてるんだろうな
よかったね、ぴぴちゃん!

「ほら、綺麗なヒョウ柄だろ?」
駿君がぴぴちゃんを抱き上げて、模様を見せてくれた

『ほんとだ〜
かわいいね〜!』
小さい頃は毛がボサボサしてて模様がよくわからなかったけど、毛並みがしっかり整えられてる今は、模様がはっきりわかる

ベンガルみたいな綺麗なヒョウ柄だなぁ
目もビー玉みたいに綺麗なグリーンをしている

『だ、抱っこしてもいい?』
1年も経ったから、もうわたしのことは忘れちゃってるだろうけど、少しずつでもまた仲良くなっていきたいな

「もちろんいいよ
ぴぴ、お前に毎日ごはんくれてた桃だぞ
覚えてるか?」

駿君は優しくぴぴちゃんをわたしの腕に抱かせてくれた

ぴぴちゃんはしばらくわたしのにおいを嗅いだあと、また気持ちよさそうにゴロゴロとのどを鳴らした

懐かしくて、思わず涙がこぼれた

『ぴぴちゃんっ…
よかった、ね…』
こぼれる涙を、ぴぴちゃんがなめてくれた

『ふふっ
くすぐったいよぉ…』

「ぴぴって、本当はすごく人見知りするんだ
知らない人が来ると、物陰に隠れたり
でも、桃に抱っこされてても、すごく安心してる
桃のこと、覚えてるのかもな」
そうなのかな?
だといいな

わたしははっきり覚えてるよ
ぴぴちゃんとの思い出

これからも、思い出をたくさんつくっていきたいな

その後は、駿君がくれたぴぴちゃんの大好きなおやつを食べさせてあげたり、写真をたくさん撮ったりして、すごく楽しい時間を過ごせた