あなたとのキョリ

『あっ!
緑の屋根、ここだね!
駿君のお家着いたよ!』

子猫ちゃんに会える〜
やった〜!

「ほら、入りなよ」

『おじゃまします!』
玄関に入ってすぐ、リビングから女の人が顔を出した

「おかえり駿
ってあら、かわいいわね〜」
駿君と少し似てるから、
お母さんかな?
おっとりした喋り方でかわいいお母さんだな〜

あっ!
挨拶しないと!

『はじめまして
駿君のお友達の桜田桃です
よろしくお願いします!』

「あら〜
しっかりしてるわね〜
でも残念
駿の彼女じゃなかったのね」
か、か、彼女!?

『へっ
いやっ、そ、そんな』
多分わたし今顔真っ赤だと思う
だって…
彼女って…

「いずれなる予定だよ
母さん、桃、ぴぴがみたいんだけど、
どこにいるか知らない?」

「あ〜
確かぴぴなら、リビングにいるわよ」

ぴぴ?
もしかして、子猫ちゃんの名前かな?
ぴぴかぁ〜
可愛い名前つけてもらってよかったね

「桃、あがっていいよ
…あと、さっきの言葉、本気だから」
さっきの言葉?
えっと…

「いずれ桃を彼女にする予定だよってこと」

『あっ…』

「ぶふっ
真っ赤!どっちが信号だよ」

『だ、だって…』
いずれ彼女にする予定って…
恥ずかしい…
でも、本当に駿君を好きになる日はくるのかな

「ほら、こっちだよ」

『う、うん』
駿君は優しいから、友達としては好き

友達以上に好きになれる日はくるのかな