あなたとのキョリ

『…え?』
え?
好き?
駿君今、
わたしのことを好きって言った?

「桜田さんが好きだ
俺と、付き合ってください」
混乱して、頭がついて行かない

『えっと?
ど、どこに付き合えばよいのでひょうかっ?』
び、びっくりしすぎて噛んじゃった
だって、わたしがこ、告白されるなんて
そんなの、ありえな…

「今の、告白なんだけど…」


『えっ
ええええ!?』
こっ、告白
う、嘘でしょ…

告白なんて初めてされたから、なんて言えばいいのかわからないよ

わたしが口をパクパクさせてると、駿君がまた口を開いた

「俺じゃ…
ダメか?」
消えそうな弱々しい声

本気で言ってくれてるんだ
わたしのことを、本当に想ってくれてるんだ

『ご、ごめんなさい…』
涼太がまだ心の中にいるままで、駿君と付き合うなんて、そんな中途半端な気持ちでいいはずがない

わたしは、そんなに器用じゃない…

「うん、わかったよ」
ごめんね、駿君
告白してくれてありが…

「…って言うと思った?」

『えっ?』
ど、どういうこと?

「悪いけど、俺、そんな簡単に諦められない」
え?え?ええええ!?

『えっと…』

「桃、俺の事まだよく知らないでしょ?
だから、俺の事よく知ってもらってから
また返事をしてほしい」
た、確かに
よく知らないまま返事しちゃだめだよね
ってあれ?
なんか口調変わってない?

「とりあえず、今日はもう暗くなるから
送って行くよ」

『あっ、今日は、その
友達と約束してて…』

「そっか
じゃあ、また明日」
駿君は、手を振って行ってしまった

わたしは一体どうすれば…
うん、とりあえずわたしも教室戻ろう
鈴華が待ってる