「おう、桃、おはよう」
『あ!駿君、おはよう!』
「職員室に何しに行ってたんだ?」
『ちょっと先生との友情を確かめてた!
…ねぇ、駿君って、もう進路決まってるよね?』
「え?うん」
そうだよね…
先生は焦りすぎちゃだめって言ってたけど、わたしもうすでに焦りまくってます…
「桃はどうなんだ?」
『まだ…』
駿君も、先生のように驚いた顔をする
やっぱり決まってないとおかしい時期だよね…
どうしよう…
うつむいていると、頭に大きな手が乗せられた
「桃は、桃のペースで自分の進路を見つけていけばいい
だから、そんなに落ち込むな」
『ありがとう、駿君』
優しいなぁ…
ちゃんと、自分の進路を見つけられるようにがんばらなくちゃ
「なぁ、桃って9月16日誕生日だよな?」
『え?うん』
「その日、空いてるか?」
『うん、空いてるよ』
「じゃあ
一緒に出かけよう」
『やったぁ!
あ…けど、駿君、勉強忙しくない?』
わたしと違って進路がきちんと決まってる駿君は、勉強忙しいんじゃないかな
「桃の誕生日の方が大事だろ
それに、たまには息抜きも必要だしな」
『いいの?ありがとう!』
わ〜い!
楽しみだなぁ!
「ははっ
桃切り替え早いな」
『だって、誕生日に駿君と一緒にいられるんだもん!
すっごく嬉しい!』
「そ、そうか…」
駿君が少し照れながらわたしの頭を撫でる
誕生日楽しみだな〜
