「あー!
楽しかったねー!そろそろ帰ろっか!」
『うん!』
ハプニングがあったから、ちゃんと楽しめるかな?って思ったけど、すっごく楽しかった!
またみんなで来たいなぁ!
「じゃあ、わたしたちこっちだから、
桃、駿ばいばい!」
『ばいばーい!』
途中で鈴華たちと分かれて
駿君と2人で帰る
「ご機嫌だな」
『だって、楽しかったんだもん!』
たっくさんお魚見れたし!それに…
『駿君と、ずっと手つなげたのが嬉しかったの!』
少し恥ずかしかったけど、隣に、大好きな駿君がいる喜びを感じて、すっごく嬉しかった
『あとはねー…ひゃっ!』
突然、駿君がわたし抱きしめた
『しゅ、駿君…?
きゅ、急にどうしたの…?』
心臓の音が大きくなって、駿君にも聞こえちゃいそう…
「…俺も…」
駿君が小さく呟く
…あ、
駿君も、ドキドキしてる…
『えへへ…』
なんか、嬉しいな
ドキドキしてるの、わたしだけじゃなかったんだ
「桃、今度は…
2人で出かけような」
『うん!』
ダブルデートもいいけど、
やっぱり駿君と一緒に出かける方がいいな
「あ、そうだ」
『どうしたの?』
駿君が、何かを思い出したようにカバンの中をごそごそといじりだす
忘れ物でもしたのかな?
そして、駿君がカバンから取り出したのは、小さなイルカのストラップ
『わぁっ!かわいいね!』
「これ、あげる」
『え?いいの?』
「桃のために、買ってきたんだ」
『嬉しい!ありがとう!』
わぁぁ!すっごく嬉しい!
駿君がわたしのために買ってくれたイルカのストラップ!
キラキラしてて綺麗だな〜
…あれ?この色って…
『もしかして、この色…』
「ん?気づいたか?
少し、ベビーピンクに似てるだろ?」
『やっぱり!わぁ〜すご〜い!
ありがとう、駿君!大切にするね!』
「気に入ったか?」
『もちろん!』
何に付けようかな〜
ケータイに付けたら、いつでも見れるよね!
あ、でもカバンにも付けたい…
う〜ん、迷うなぁ…
どこに付けようか迷っているわたしを見て、駿君がくすっと笑った
「桃、俺の…」
『ん?なに?』
「あー…
やっぱなんでもない!」
『え!?なに!?気になる!』
「なんでもないよ」
そう言うと、駿君はわたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた
『途中でやめるなんてひどいよー』
「ごめんごめん
いつか、ちゃんと言うから、な?」
『はぁーい…』
すっごく気になるけど、いつか言ってくれるまで待とう
いい子にするって決めたから!
あたりはもうオレンジ色に染まり出して
夕日がわたしたちを優しく照らしていた
