あなたとのキョリ



「おまたせー」

「おう
二人とも来たか」

「おはよう」

「おはようー」

今のは井上君の声かな?
そしてその前のは駿君の声…

ということは駿君もう来てる!?

ひゃああぁ
心の準備がー!

「桃?
なんで鈴華の後ろに隠れてるんだよ」

『ひゃっ!』

み、見つかった!

『お、おはようございます…』

「も〜
隠れてないで、出ておいで!」

『わぁっ!』

鈴華に手を引っ張られて
わたしは駿君の前に立たされた

駿君、どんな顔してるかな…

駿君を見ると、驚いたような顔をしてわたしをじっと見ていた

ひぃぃ
やっぱり駿君引いてるってー!

「桃…か?
なんか…いつもと違うな…」

「どう?
いつもよりさらにかわいいでしょ!」

り、鈴華ぁ
その質問はちょっとー…

答えによってはわたし立ち直れなくなっちゃうよー…

ドキドキしながら駿君の答えを待っていると、駿君は

「別に…普通だろ…」

とだけ言って黙りこんでしまった


「もう
照れちゃって〜」

普通…
普通かー…

普通でいいんだけど…

鈴華と一緒にがんばったから、もう少し何か言って欲しかったなー…

ってわたしわがまますぎ!
恥ずかしいから見られたくないって言ったり、もっと何か言ってほしいって言ったり!

変って言われなかっただけいいんだよ!

うん!そうだよね!

『駿君、おはよう』

「…ああ」

あれ?

さっきから、
駿君、目をそらしてばっかり…


もしかして
似合わなすぎて怒っちゃったとか!?


そんなぁ…


だとしたら
謝らなきゃ…



なんとなく気まずい雰囲気の中、鈴華たちのうしろで駿君の隣を歩いた

会話が少なくて、少し寂しいな…

早く目的地に着かないかな…