息ができない…
苦しい…!
『…はぁっ……』
わたしは精一杯の力で駿君を押すと、荒くなった息を整えた
『しゅん…くん…?』
ようやく息が整ってきて、駿君を見る
うつむいていて表情がわからない
『駿君…あの…』
「……俺は…」
『え?』
「…距離を置いている間も…
ずっと桃のことを想っていたよ」
『駿君…』
わたしと同じ気持ちでいてくれたんだ
すごく嬉しい…
「距離を置いて気づいたんだ…
俺の中で、桃がどれだけ大きな存在かを…」
わたしもだよ…
「でも…
桃は違うみたいだな…」
『えっ!?…!!』
顔を上げた駿君は
今まで見たことないくらい辛そうな顔をしていた
少しでも触れたら壊れてしまいそうなくらい…
「…桃は
涼太の方がいいんだろ…」
『違うっ!!』
わたしは思わず大声を出してしまった
廊下にわたしの声が反響すると同時に、
わたしは駿君を抱きしめた
『わたしだって、ずっと寂しかった!
もう、何があっても、離れたくないよ!
だって…大好きなんだもん!』
言っているうちに涙がこぼれてくる
すると、駿君がわたしの頭に手を乗せた
駿君だ…
やっぱり安心する
この大きい手は、わたしの大好きな人の手だ…
「桃、ありがとう
…俺、情ねぇな」
『情けなくなんかないよ!
わたしのことを思ってくれて、すごく嬉しかった…』
「桃…」
上を見上げると、わたしの大好きな笑顔で微笑む優しい駿君の顔
目と目が合って、自然に引き寄せられて
そのまま唇が重なった
さっきとは全然違う
優しいキス…
お互いの存在を確かめるかのように、何度もキスが繰り返される
キスが終わると、駿君が再びわたしを強く抱きしめた
「もう…
2度と離さないから…」
『うん…
わたしも、離れたくない…』
ずっと溜まっていた寂しさが
一瞬にして愛おしさで埋め尽くされて、
わたしは、強くなるんだと誓った
