あなたとのキョリ

『そろそろ教室に戻った方がいいかな』
なんだか泣いたらスッキリした
2時限目はすごく勉強はかどる気がする

「んー
でも桃はもう少し休んだ方がいいよ」

『えっ、
どうして?』
鈴華まだ心配してくれてるのかな
わたしはもう大丈夫だけど

「目
すごいことになってるよ」

『え?』
自分ではどうなってるかわからないけど
多分いっぱい泣いたから、
ものすごいことになってるかも

『…もう少し休んでく』

「うん
じゃあとりあえずわたしは一旦教室に
戻って、桃の鏡と冷たい飲み物買って
きてあげるね」

『うん
ありがとう』
鈴華は微笑むと、屋上から降りていった

『ふぅ』
教室に行ったら、今度は嘘じゃなくて本当の気持ちで、涼太に「おめでとう」って言ってあげよう

『ありがとう
涼太』
わたしの隣を歩いてくれてありがとう
小さい頃から、涼太には幸せをもらってばかりだったね
今度はわたしが涼太に精一杯のお返しをするとき

『おめでとう
涼太』
相澤さんと、幸せになってね
相澤さんは、すごく優しくていい子だから、安心して涼太をまかせられる

『おめでとうっ…
涼太』
また涙が出てちゃいそう
でももう泣かない
涼太の恋を、精一杯応援するんだ!

『大好きだったよ
涼太』
この気持ちにフタをして
これからは普通の幼なじみとして、涼太と仲良くしていきたいな