そしてやっぱり連れていかれたのは体育館裏
これが世でいうデジャヴってやつなのかな
あああ…
捕まった宇宙人ならぬ、捕まった桃星人
わたしは一体どうなるのかな…
「桜田さん」
『はっ、はい!』
ビクッと肩を震わせながら成海さんを見ると
『え…?』
成海さんは…
泣いていた…
大きな目から
次々に流れる雫
「……で………」
『え?』
「駿ちゃんを取らないで!!」
泣き叫ぶような悲しい声
その声に胸が痛む
なんて声をかけていいのかわからなくて
成海さんの肩に手を添えると
成海さんは涙を浮かべた目でわたしを睨みながらその手をはたいた
「成海の方が!駿ちゃんといた時間が長いのに!どうしてあんたみたいなと!!」
成海さんが、途切れ途切れに言葉を紡ぐ
「成海には!駿ちゃんしかいないのに!!」
『駿君しかいない…?』
どういうことなの?
「成海
中学のとき…
クラスでいじめられてた…」
え…?
嘘でしょ…
いじめられてたって…
成海さんがしゃくりをあげながら話し始める
「親からも…
あんまりかわいがってもらえなかった」
そんなの…
わたしだったら耐えられない…
「駿ちゃんだけが…
成海と仲良くしてくれた…」
『そんな…』
成海さんには友達がいなかったの…?
あんまりかわいがってもらえなかったってどうして…?
成海さんは、
毎日をどれだけ寂しい思いで過ごしてきたんだろう…
『成海さん…』
また手をはたかれるかな…
と思いながらも、震える背中に手を差し伸べないわけにはいかなかった
「だから…
駿ちゃんを取らないでよ…」
最初に叫んだときとは違う弱々しい声
わたしは、どうしたらいいの?
駿君が大好き…
でもこんな成海さんを見て
駿君のことが好きだからやだなんて言えないよ…
わたしは…
『ごめん…』
謝ることしかできなかった
駿君のことはあげられない…
わたしなんかが彼女でごめん…
「…何に対してのごめんなの?」
今まで聞いたことのない成海さんの冷たい声に、思わず背中に添えていた手を離す
