あなたとのキョリ


『ごめんね井上君
もう、大丈夫だよ』

「そっか、よかった」

わたしはゆっくりと井上君から離れる

見た目よりもずっとがっしりとした肩


散々泣いといてだけど…
今思い出すと恥ずかしい…

『ご…
ご迷惑をおかけしました…』

恥ずかしくなって下を向いて言うと、井上君が優しく微笑む

あ、この笑顔
いつものほんわかした井上君の笑顔だ

…あれ?

『井上君って、
メガネかけてないっけ?』

確か…メガネをかけていたはず…

目悪いんじゃないのかな

「ああ
あれ、実は度入ってないんだ」

『えっ!?そうなの!?』

だったらどうしてメガネなんか…

「俺、人と話すの苦手なんだ」

そう言うと、井上君は自分を卑下するように下を向いて笑った