あなたとのキョリ

「桃は
どうしたい?」

『え?』
どうしたいって
どういうことだろう?

よくわからなくて首をかしげるわたしに
鈴華は続けた。

「涼太を、
相澤さんから奪いたい?」
う、奪う!?

『そ、そんなことしたくないよ
せっかく今涼太は幸せなのに…
涼太の幸せを奪うくらいなら、
わたしなんかどんなに傷ついてもいい
涼太には、
幸せになってほしいもん』
涼太は小さい頃からわたしを笑顔にしてくれた。
涼太のおかげでわたしは幸せだった。
だから、涼太にはわたし以上に幸せになってもらいたい

「そうだね」

『だから…
辛いけど、涼太と相澤さんを応援する
よ』
もういつまでも泣くのはやめた
前を向こう
そして、涼太と相澤さんを応援するんだ

「うん
桃ならそう言うと思った
わたしはいつでも桃の味方だからね」

『うんっ…
ありがとうっ、鈴華』
わたし、鈴華と友達で本当によかった