記念日を大事にすること、そして家族の写真を撮ることも欠かさなかったこと。



「俺と大空の幸せをいつも願ってくれた人だった。

自分が病気で苦しんでる時も辛い顔ひとつ見せないで、本当に強かった」



聞けば聞くほど、叶真がお母さんのことを大好きだったことが伝わってくる。



「叶真はお母さんいなくなって寂しくなかった?」



「そりゃ寂しかったよ。母さんいなくなって荒れたりもしたし。

でも、大空がいたから俺は立ち直れた。

今思うと、あんな俺を見たらきっと母さんは激怒すると思うけど」



今だから笑い話になってるのかもしれないけど、その当時はこんなふうに笑えないほど辛くて寂しかったんだよね。



あたしがもし叶真と同じ立場だったら、絶対に耐えられないよ。



お母さんがいなくなるなんて考えられないから。