買い物を済ませて、俺はある場所に乃愛を連れてきた。
俺に大切だって思うヤツができたら来るって決めてた場所だ。
「ここって、お母さんの?」
俺が足を止めた場所を見て、乃愛が緊張したのがわかった。
まだ大空が生まれてない頃。
母さんが俺に何気なく言った言葉。
『叶真に好きな子ができたら、ちゃんとお母さんに紹介してね』
その時は俺もまだ小学生だったし、そういうのは言われてもよくわからなかった。
でも、今ならちゃんとその意味がわかるから。
母さんが眠る場所に乃愛を連れてきたかった。
俺の好きな人だよって、母さんに紹介するために。