「結局Tシャツばっかりになっちゃったね」
苦笑を浮かべる乃愛に俺は服の入った紙袋を見る。
「汗かくと何枚も必要になるし、あって困るもんじゃないから。
大空は喜ぶと思う」
大空の喜んだ顔を思い浮かべて笑った俺は、乃愛の視線に気付いてそっちに目を向ける。
「どうした?」
「んー? やっぱり叶真は、いいお兄ちゃんだなって思っただけ。
あたしが叶真のこと好きになったのも、大空君がいたからなんだよ」
目を丸くする俺に乃愛は楽しそうだった。
そういうこと、いきなり言うなよ。
俺を喜ばせるだけだって、乃愛はわかって言ってんのか。