そんな乃愛のあとをついていきながら、大空のために真剣に服選びをしてくれる乃愛を眺める。
普段はこうして乃愛のこと見てると、アイツ怒るから。
母さんがいた頃はよくこういう光景見たな。
すぐに大きくなる大空に、母さんは楽しそうに毎回服選んでたっけ。
俺にひとつひとつどうだって聞いてきて、付き合うの大変だった。
けど、必ず買い物に付き合ってくれたからって、俺の服まで買ってくれて。
そんなのいいって言っても、母さんが好きだからいいって言って聞かなかった。
久しぶりにそんなこともあったなーと思い出していると、乃愛がTシャツを何枚か持ってくる。
「ねぇ、これとこれならどっちがいい?」
「乃愛がいいと思った方でいいんじゃない」
「何よそれー。さっきは却下するって言ったのに」
頬を少し膨らませながら真剣に悩む乃愛に、俺も大空に似合いそうな服を探し始めた。