「あ、お姉ちゃん」
叶真と2人、1階のリビングに戻ってくると、結乃が大空君と絵を描いて遊んでいた。
結乃の声にあたし達の存在に気付いた大空君が、いきなり泣きそうな顔で駆け寄ってきた。
「のあちゃんっ」
ぎゅうっと力いっぱいあたしの足に抱き着いてきた大空君。
どうしたんだろうと、体を離してその場に座る。
「だいじょうぶ?」
いきなり聞かれたあたしは何のことだかわからなかった。
「大空君ね、2人のことずっと心配だったみたいだよ」
結乃に言われてもう一度大空君を見ると、今にも泣きそうな顔をしていた。
大空君にまで心配かけちゃったんだ。
「もう大丈夫だよ。
お兄ちゃんともちゃんとお話ししたから、安心していいよ」
大空君は何もわかってないはずなのに、ほんとにいい子で可愛いな。