「またバカって言った! そんなの勝手に叶真がしたんじゃない!
あたしにだって、夢があったのに……」
最後の方はほんとに小さな声でしか言えなかった。
「だからだろ。初めてだからこそ大事じゃん。
それと、おまえのファーストキスの相手が俺で良かった」
普段はこんなこと絶対にあたしに言わないのに、叶真が素直すぎて変。
あたしの方が照れくさくなって、顔を下に向けようとしたら、それを叶真に止められる。
「俺といる時は下向くの禁止」
啄むだけのキスをしてきた叶真に、顔が熱くなる。
こんなふうにお願いされたら、あたしだって素直になるしかないじゃない。
「望むところ……」
ふふっと笑ったあたしに、叶真も嬉しそうに笑っていた。

