靴箱にはもう乃愛の靴は残ってなかった。
たぶん家に帰ったんだろうと思った俺は、乃愛の家に行く前に途中にある幼稚園に立ち寄った。
「あ、大空くーん! お兄ちゃんが迎えに来てくれたよ」
大空がいる組の先生が俺に気付いて、中にいる大空に声をかける。
それにすぐ駆けだしてきて、俺を見るなりニコニコと笑った大空。
今の俺はこの大空の笑った顔になんだか癒される。
先生に挨拶をして幼稚園を出ると、家とは反対方向へと大空の手を引いて歩く。
そんな俺に大空は不思議そうな顔をして見上げてきた。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
クイッと小さな手が俺の手を引いた。
「大空?」
「どこか痛いの?」

