「……っ叶真が何考えてるのかわかんない!
あたしの気持ち無視してこんなことしないでよ!!」
目に溜まっていた涙が零れ落ち、乃愛の頬を濡らしていく。
俺だって、おまえが何考えてんのかわかんねぇよ。
「おまえ何もわかってない」
「わかってないのは叶真でしょ……。
あたしのこと何とも思ってないのに酷いよ……っ」
——パンッ!
左頬にジンとした痛みが走った。
乃愛に叩かれて少し冷静になる俺の頭。
「叶真なんて、大っ嫌い!!」
涙を流しながら俺の横を通りすぎていく乃愛を俺は止めることができなかった。
大嫌い……か。
あんなこと言わせたかったわけじゃない。
頭に血が上って冷静になれなくなって、ほんと何やってんだよ。
アイツが俺以外のヤツに好きって言ってるの見たら、湧き上がってくる感情を抑えることができなかった。
いつか乃愛に好きだって言ってほしかっただけなのに。

