「痛いよ、叶真!」
教室に着くと同時に乃愛が俺の手を強く振り払った。
俺に掴まれた手をもう片方の手で添えた乃愛は、また俺から目を逸らして下を向く。
「大地と何してたんだよ」
俺が聞いたことで、乃愛が息を呑むのがわかった。
「何も……叶真には関係ないよ」
関係ないって、なんだよそれ。
大地とあんなことしといて、俺に関係ないってそんな理由で俺が納得するわけねぇだろ。
「関係ないって言うなら、俺の目をちゃんと見て言えよ」
俺の声に肩を震わせた乃愛は迷った末に、恐る恐る視線を俺の方へと向ける。
逸らさずにじっと見ていた俺の目を見た乃愛は、合わせた途端に耐えきれないというようにすぐに下を向いてしまった。
俺のこと見るのがそんなに嫌なのかよ。
その乃愛の行動に俺の体が勝手に動く。

