その翌日から毎日放課後に、田辺君がバイトがない日を選んで、告白の練習が始まった。
「さぁ、このお面叶真先輩に向かって愛を告白してください!」
紙で作ったお面には叶真とそっくりの似顔絵が描かれていて、余計に変な緊張が走る。
リアルに叶真がそこにいるみたいでやりにくい。
「乃愛先輩、恥ずかしがらずにどーんといっちゃってください!」
田辺君が応援してくれるけど、今まで伝えたこともないのに、そんな簡単に言えるわけがない。
「まだ表情が硬いですね。
リラックスしてください、乃愛先輩」
深呼吸を繰り返して何度か挑戦しようと口を開きかけても、最初の言葉が出てこない。
結局この日も時間だけを無駄にしてしまって、何も先には進まなかった。

