「た、たぶん……」
曖昧な返事を返したあたしは、明らかに田辺君に変な目で見られる。
彼女なのに彼氏の様子もわからないのか。
なんて思われてる気がする。
変なことを突っ込まれないかと心配していると、田辺君は渡り廊下の手すりに両手を置いた。
「そうなんですね。この間バイトで会った時、叶真先輩ちょっと様子がおかしかったんです。
何かを考えこんでるというか、何か悩みがあるというか」
それはたぶん……いや間違いなくあたしのせいです。
とは口が裂けても言えず、思わず溜め息を漏らす。
「もしかして喧嘩してます?」
喧嘩っていうかなんていうか。
田辺君の質問にどうやって返していいのかと考えを巡らせる。

