「はぁ……どうしたらいいのかな」
ひとりで考えたくてお昼ご飯を食べてから渡り廊下でぼーっとしていると、トントンと肩を叩かれる。
「何してるんですか? こんなところで」
見ると、あたしの肩を叩いたのはジュースのパックを手にした田辺君。
「珍しいですね、彼女さんがひとりでいるなんて」
「ちょっとね……。ていうか彼女さん呼びじゃなくていいよ?」
「え! い、いいんですか? じゃあ、乃愛先輩って呼んでも……?」
恐る恐る聞いてくる田辺君に二つ返事でOKを出す。
初めて会った時も思ったけど、すごく人懐っこい子だな。
なんか場の雰囲気を和ますのが上手っていうか。
「叶真先輩、元気にしてます?」
いきなり叶真の名前を出されて心臓が跳ねる。
お、落ち着けあたし。
田辺君は別に深い意味はなく聞いてるんだから。